本の海を泳ぐとぅーん

ー本の海を泳ぎ、しゃべって、動いて、泣くー

【ビジネス書】『革命のファンファーレ』西野亮廣

『革命のファンファーレ
現代のお金と広告』

西野亮廣

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お笑い芸人だと思っていたら
知らないうちに
絵本作家、実業家?になっていた西野さん

1万部売れればヒット
といわれる絵本市場で著作の
『えんとつ町のプペル』
という絵本が38万部(2018年末)の
大大大ヒット
映画化も決まってしまった

なぜそんなに売れたのか
その方法が書いてあるのが本書
『革命のファンファーレ』

鍵となるのはサブタイトルの
お金と広告

もうちょっと詳しくいうと
お金と信用の関係

どうやったらモノが売れるか


どうやったらモノが売れるかはつまり どうやったらお金を払ってくれるか
というお金の話だったり
どうやったら価値を認めてもらえるかという
広告の話だったりする


人が何に価値を見出し お金を払うのかっていうのを知っておくことも 生きる上で役立つ知識だ

ちょっと公演を聞く機会があって
聞いたが、当たり前だが本に書いてある内容が多かった

その内容と似たような内容が
このYouTubeでも見れる
やっぱり本のほうが情報量多いけど

www.youtube.com

1時間以上の動画だが 前半が公演で後半がトークセッション
聞いてみればわかるけど
話すのやっぱり上手

結構早口でしゃべるのに
話の構成はしっかりしているし
笑いもとりつつ 重要なところではうまく間をとっっている

なので興味ある人は見ることおすすめ


まあ動画見る前にこの後読んでほしい 5分もかからないと思うので
で興味があったら動画みるの順番のほうがいいかな

ということで内容にはいっていく

信用とお金

「お金」とは信用を数値化したものだ。


本書でもでてくるこの言葉
聞いたことはあるが実際どうなのよ?

という話だが、これはどんどんYesに近づいている

それをYesに近づけているのがインターネットである

そしてその代表例がクラウドファウンディングである

クラウドファウンディングは信用をお金化するための装置だ。


『好感度』と『信用』、『認知』と『人気』は、それぞれまったく別物だ。


テレビタレントは有名人だが、スポンサーのために嘘をつかねばならない
嘘をつく人は信用できない
だから有名人であるタレントは信用はもっていない

一方、嘘をつかずに信用をためている人はクラウドファウンディングという両替機でお金を手にすることができる
嘘をつかない西野さんは好感度が低くても、信用を持っているからお金に両替できる

インターネットはクラウドファウンディングという両替機を生み出しただけでなく、検索+SNSという嘘発見器も生み出してしまっている

そのせいで、テレビタレントの嘘はばれてしまうような状況になってしまっている


信用とは少し違うかも知れないが
インターネットは実力主義も推し進めている

次に話すように良いモノをつくれば売れるわけではないが
悪いものは悪いと評価され、皆に知られ、どうがんばっても売れなくなる


1989年に書かれた『7つの習慣』では、人間関係のために
信頼口座に預金することが大切であるということが 再三いわれているが
今後、ますます信頼というものが大切になっていくということを 肝に命じる必要がある


SNSも信用をお金に変える装置の1つだろう
SNSで嘘をつかずに、伝えたい情報を発信し続けていれば
収入を得ることができる(自分ではまだ未実証だが^^;)

嘘をつくことはしないで、誠実に取り組もうと思う

どうしたらモノが売れるか

さっき触れたが、良いモノを作ったからといって売れるとは限らない
でもそもそもいいモノじゃないと売れないこともたしか

ということでまずは良いモノをつくる ってほうから

良いモノを作ろうっていったって
戦略なしにつっこんでも、その道の先輩プロに勝てるわけがない
そもそも良いモノの良いってのは他のモノと比べて
であることを忘れてはいけない
自分にとって良いモノではダメ
レッドオーシャンで戦っちゃダメなのだ
だから他のモノが少ないところで戦うべき
そういう戦略が必要

絵本素人西野さんは、どういう戦略をたてたか

それが、
「めちゃめちゃ時間をかける」

「分業制にする」


絵本作家はプロだからこそ
一冊に時間をかけられない
だから、めっちゃ時間を書けて作り込んだ
こども向けのふんわりした絵ではなく
めちゃめちゃ緻密な絵を描いた
ありったけの時間を使って


そして、それを分業制にした
映画だって分業制なのになぜ絵本は分業しないのか?
それは、分業するほどお金を払えないからである
ただ元々、めっちゃ売る予定なら分業してもお金を払える
分業したほうが一つ一つの絵のクオリティはあがる


と、こんなかんじで差別化完了


絵本 という業界の常識をことごとく疑ってはじめてこの戦略は生まれる


競争相手がいないブルーオーシャンを見つけてしまった
これで良いモノの作成は9割終わったようなもの あとは実行すればモノは完成


で、あとは売るだけ



といってもそれはそんなに簡単なことではない

どんなに良いモノを作っても 買う価値がある、必要であると判断されなければ売れない

ここを取り違えて 日本企業は国際競争力を失ったし 西野さんも最初の絵本3冊は売れなかった


モノを作るとは、売るためのルートまでつくってはじめて作ったといえる

僕らが「買うモノ」と「買わないモノ」を線引きする基準は単純明快、「生活する上で必要であるか否か」だ。


「作品」にはお金を出さないが、「思い出」にはお金を出す(中略)「おみやげ」は生活必需品だったのだ。(中略)「おみやげ」に必要なのは「体験」だ。


「時代はモノ消費から、コト消費」とよく聞くが、ここで話していることは「モノ消費から。コト&モノ消費」だ。商品は、体験に紐付ければ確実に売れる。


ということで 『えんとつ町のプペル』は 無料で原画を公開して有志で原画展を開いてもらい その出口でおみやげとして買ってもらったのだ


すばらしい発想!

いまも『革命のファンファーレ』の内容などで 講演会をしながら、『革命のファンファーレ』と 『えんとつ町のプペル』をおみやげとして売っている

インターネットが破壊したものを正確に捉え、売り方を考えろ。


「人が時間やお金を割いて、その場に足を運ぶ動機は、いつだって『確認作業』で、つまりネタバレしているモノにしか反応していない」


無料公開は時間差でお金が発生している


おみやげ戦略だけじゃなくて全ページ無料公開ってのもしちゃってる これまたすごい
まずこれをやっちゃうことがすごいんだけど
見てもらえばわかるのだが出来上がっている作品がすごい

あんだけすごいもん見せられたら 家においておきたくなっちゃうよな

本当に実力があるものは 無料で公開したからといって じゃあ買わなくていいや とはならない


ただここでも一工夫してて横スクロールじゃなくて縦スクロールになっている
これが、実際の本を買うメリットを残す工夫

どこまでも戦略がしっかりしている

「売るところまでやって初めてモノを作ったことになる」
というのはこういうことなんだな と
他にもSNS戦略とかも含めていろいろやってるんだけど これくらいにしておこう

まとめ

  • 嘘がばれる時代、信用がお金に両替できる時代は、信用を稼げ

  • 売るところまで考えてはじめて作ったことになる

  • 時代の変化を読んで、売り方を考えろ

副題の通り 現代お金広告について知ることができる 良書